障害者に対する福祉サービスは、長い間「措置制度」という仕組みで、自分の住んでいる市町村の障害福祉主管課が、サービスの種類や提供量を決定して障害者に給付してきました。
高齢者サービスが、2000(平成12)年に「介護保険制度」となり、介護を社会で支えるという理念のもと、他のサービスに先駆けて要介護認定の仕組みを作り、一人ひとりの希望に応じたサービスを提供するという制度に変りました。社会福祉の基礎構造改革という流れの中で、障害福祉の分野でも、2006(平成18)年に施行された「障害者自立支援法」により、障害者一人ひとりにあったサービスを提供するという仕組みに変りました。
その制度を一歩進め、平成25年4月1日に「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(通称:障害者総合支援法)が施行されました。
目的
目的規定において、「自立」という表現に代わり「基本的人権を享有する個人としての尊厳」と明記され、障害者総合支援法の目的の実現のため、障害福祉サービスによる支援に加えて、地域生活支援事業その他の必要な支援を総合的に行うことになりました。
また、2011(平成23)年7月に成立した障害者基本法の改正を踏まえ、新たな基本理念が法律に規定されています。
基本理念
1.全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念
2.全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現
3.可能な限りその身近な場所において必要な(中略)支援を受けられること
4.社会参加の機会の確保
5.どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと
6.社会的障壁の除去といった重要な考え方を新法の理念としても規定することとしたもの